静岡|レトロなメリーゴーランド@楽寿園(三島市)

JR三島駅南口からすぐ近くにある「三島市立公園楽寿園」。明治維新で活躍された小松宮彰仁親王が1890(明治23)年に別邸として造られたもので、広さは約22,870坪。緑豊かな園内の中に、すっかり見かけなくなったメリーゴーランドが現役で活躍!

 

としまえん(東京都練馬区)に”現存する世界最古の回転木馬”とされていた「カルーセルエルドラド」が2020年に解体されて以降は、現代風にリニューアルせずに残っているものはどれくらいあるだろう?都内で現存しているものは「花やしき(台東区浅草)」くらいかもしれない。

 


まずは、楽寿園について。
小松宮彰仁親王の住居としてではなく接待に使っていたそう。その後、大韓帝国皇太子李垠(り ぎん)殿下の別邸→資産家 緒明(おあき)圭造氏の所有→1952(昭和27)年より三島市が管理運営 、そして今に至ります。

 

入館料は300円。
当日に限り、再入場可能だそうです(ただし、正面入口からのみ)。


 

見どころはいくつかありますが、目玉は園内にある「小浜池」。
溶岩の間からの湧き出る湧水のため毎日水位が変化し、渇水時には約1万年前の富士山の噴火の際流れ出た溶岩(三島溶岩流)が見られ、雪解けの時期には富士山の雪解け水が湧き出す様子も見られるとか。・・・といっても、富士の雪解け水は76年経って地表に流れ出て、さらに約10年かけて小浜池にやってくるのだそうです。

 
水位は昭和30年頃から減少が見られていたそうなのですが、その日や季節によってみられる光景が異なるため、楽寿園では毎日水位を観測して発表しています。池の中央の底を0(標高25・69mの地点)として毎朝測っているのだとか。
 
周辺の開発などの影響によって湧水量が減少し、1962(昭和37)年には枯れ、近年は渇水続きで滅多に満水になることはないのに、2020年には9年ぶりに満水となり過去最高の水位を記録。その後、2023年にも満水となりました。台風や長雨が影響したと言われていますが、渇水して剝き出しの溶岩が見たい人には残念かもしれませんが。

 

とにかく水がきれいで透明なのに驚きます。1万年前の溶岩の上に実生したもの含めると約160種もの樹木があり、季節によって入れ替わる野鳥たちは30種以上。バードウォッチの方も来ていました。




小さな遊園地「のりもの広場」には懐かしい遊具がありました。
それぞれ100円で利用できます。市が管理しているからというのもあるかもしれませんが、物価高騰している最中で100円でメリーゴーランドに乗れるってすごいですよね。

いつ頃できたものかわからないですが、かなり年季が入っているので当時のままかもしれません。若い人にとっては目新しいのか、ただグルグル回っているだけで何が面白いのかと不思議に思うのか。昭和の遊園地でメリーゴーランドの華やかさは格別でした。

山下達郎さんの歌に「メリーゴーラウンド」ってありましたよね。
 

もう一度だけ 
動き出せメリーゴーラウンド
目を覚ませ ユニコーン

馬じゃないのか?というのはさておき、『失われた愛や過去の記憶、再生の可能性をメリーゴーラウンドに例えて描いています。錆びついたメリーゴーラウンドが再び動き出すことへの願いは、聴く人の心に強く響きます。 恋の切なさや人生の循環を感じたいときに、ぜひ聴いてみてください。』という思いが込められているそうです。


こちらも懐かしい豆汽車。

これも昭和っぽい、「鏡の家」。
変な風に映る自分たちを笑ったり、合わせ鏡でちょっと不思議ワールドに入ったような感覚で遊ぶというもの。



水飲み場にも遊び心。


 

 
そしてまた緑の中へ。
緑の多い公園は都内にもあるけど、水は濁っています。どこを見ても水が本当に澄んでいてきれいなので、それだけでも来た甲斐があるなあ。

 

 

三島広小路駅に近い方の出口付近にある蓮沼川には、小さな発電用水車もありました。三島にはかつて水車が多く見られたそうです。別記事にて紹介します!

 

三島市立公園楽寿園
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/index.html

 


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