ART|バクハツ空間:岡本太郎記念館(港区青山)

 「太陽の塔」などのキョウレツな作品や、「芸術は爆発だ!」の台詞でお馴染みの岡本太郎さんのご自宅兼アトリエ。1997年(享年84歳)に亡くなった後、記念館として公開されています。



「何だかわかんないけど、ここが好き」という人が私の周りには多いけど、訪れる人もリピーターが多そうです。





設計は、近代建築の巨匠:ル・コルビュジェのお弟子さんでもあった建築家、坂倉準三氏。太郎さんとは友人だったそう。お庭もすごい。作品というより住人という感じ。視線を感じたような気がしてふと見上げると、バルコニーから作品がお出迎え。



庭もごった返しています。
また、茂みにもオブジェが隠れているので、是非、探してみてください。





1階:リビングとアトリエ




書籍によると、太郎さんの言う「爆発」は、ドッカーンという爆破みたいな破壊的なものではなく、宇宙に向かってパーッと拡がる、開くみたいな感じらしいです。ここが芸術家の仕事場、太陽の塔の構想もここで練られたとか。



 

2階:常設展と企画展のスペース。




座るのを拒む椅子


 

企画展テーマ「樹」
展示期間:2015年6月17日〜10月25日




木を私はいつでも石の対立物として考えている。
ここに無機と有機、死と生の世界が、静かだが、
しかし執拗な戦いをくりひろげている。

石は噛み、植物は生成しつつ石をくつがえしつづける。
破壊と充実と、均衡と滅亡と、慰撫と恐怖と。


岡本太郎は『樹』に大いなる共感をもっていました。
天にのびゆくその姿に生命力のダイナミズムを見ていたからです。若々しくひろがっていくさまに人間のあるべき姿を重ね、人が天と交流する回路であるとも考えていました。岡本作品に頻繁に樹が登場するのはそのためです。
単細胞からヒトまでが一本の樹に宿る《生命の樹》、いきいきと躍動する不思議な生命体《樹人》、こどもたちの多彩な表情が四方八方にのびていく《こどもの樹》、原始の呪力が生々しく投影された《樹霊》、無数の眼玉がたわわに実る《眼の樹》、生と死が対峙し闘う《石と樹》…。
“いのち”を描きつづけた岡本太郎にとって、樹はなくてはならない重要なモチーフでした。この展覧会では太郎がくりかえし描いたさまざまな『樹』を見ていきます。
(岡本太郎記念館HPより)



 

以前に台湾の山奥で、統治時代に日本人が作った樹霊塔に出会ったのですが、樹は、昔から日本人にとっても特別な存在だったような気がします。それを忘れてきてしまっているけれど。木は見えても、姿が見えない樹霊たち、こんな感じだったのかな?

●岡本太郎記念館:https://taro-okamoto.or.jp/



ちなみに館内は「土足禁止」。
夏は、うっかりミュールやサンダルで行くと素足でペタペタ歩くことになるので、靴下の準備をお忘れなく!(冬は冬でブーツの脱ぎ履きが気になるけれど)。



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