澳門|世界遺産巡り(1)

マカオの世界遺産は「歴史地区」として登録され、全部で30か所あるそうです(2015年11月現在)。


すべてがマカオ半島にあり、しかもほとんどが集中して存在しているため、1日ですべて回ることも可能という情報も。私達の場合、3日くらいかけて楽しむことにしました。ほとんどは徒歩と少しだけバスを利用。1日に25,000~28,000歩くらい。

全てまわる必要もない気も (^^;)

マカオ世界文化遺産 - マカオ政府観光局

https://www.macaotourism.gov.mo/ja/sightseeing/macao-world-heritage



1.議事亭前地/Largo do Senado(セナド広場)
複数の文化財で取り囲まれているので、世界遺産見学をここからスタートする人も多いくらいです。モザイク模様のカルサーダス(石畳)とコロニアルカラーの建物のお陰なのか、写真に撮ると映画のセットかジオラマみたいに、現実感なく写ります。





2.民政總署大樓/Edifício do IACM (民政総署ビル)
世界遺産を巡りのスタート地点に設定したセナド広場に向かっていたら、その前ありました。ポルトガル統治時代から現在に至るまで、マカオの政治や自治はここで行われてきたそう。


1583年に設立されたマカオ市議会がアジアで一番最初にできた市議会らしいのだけれど、1980年代に入るまで中国人には選挙権すら与えられていなかったとか。


当時のポルトガルがちゃんと治めていたのか?というと疑問だけれど、他の国が植民地を手放していく中、何故、マカオが植民地としてここまで残ったのか?、それも興味深い。


マカオでは、町中にある「アズレージョ(壁のタイル)」は見どころの1つみたいです。





3.仁慈堂大樓/Santa Casa da Misericórdia(仁慈堂)
セナド広場の一角。中はカトリックの宗教画などが展示された博物館があるそうです。カトリックの人にとっては関心度高く、有難かったりするのかもしれないけど、そうでない中に入るには至らず。
(世界遺産は教会や廟もいくつかある)




4.三街會館/Sam Kai Vui Kun (三街会館)
今度はグッと中華風。セドナ広場から2~3分歩くと見かける古~い関帝廟。セナド広場にあるピンク色の建物の角を左に曲がって、つきあたって、また左。かつては、營地大街、関前正街、草推街の商店会の役割もしていたそうですが、今は廟のみ。




ちなみにこの辺りの商店街はすっごく賑やか!
牛乳プリンのおいしいお店や、食材豊富な市場もあります。



5.聖奧斯定教堂/Igreja de Santo Agostinho(聖オーガスティン教会)
1586年スペインから来たオーガスティン派の修道士達が神学校として創設。その頃は木造で、雨が降るたびシュロの葉で教会部分の屋根を覆うなどしていたとか。ずいぶん立派になりました。


1591年に現在の広場にある場所に移設。現在私達が見ている建物は1874年に再建されたものだそう。(1874年=日本では明治7年、台湾出兵を決定した頃。)



また、マカオで初めて英語による説教が行われた教会でもあり、イースターのときには、キリスト像を掲げた信者たちの巡行の出発点にもなっている。教会の中は無料で見学できるみたいだけど、入っていいのかわからず(ウェルカムボード等もなかった)、建物だけ見てスルー。
のんびりと読書するおじさんも絵になってます。
※おじさんは、置物ではありません。


気候はアジアっぽく湿気があるんだけど、目に入って来るものは西洋。ちょっと不思議な感じがしてきます。


6.崗頂劇院/Teatro D. Pedro V’(ドン・ペドロ5世劇場)
まず、ドン・ペドロ5世って誰?という話から。1860年頃のポルトガルの国王で、記念されてるほどの人なのにポルトガルの歴史を見ても名前が出てこなくて、一体何をした人かわからず、ググってみました。


「極めて熱心にポルトガルのインフラストラクチャーの近代化に取り組み、道路・電信・鉄道の整備や公衆衛生の改善に努めた(Wikipediaより)」とのこと。闘ったとかじゃなくて、地味でも大事な部分の整備に取り組んだ人だったのですね。
この国王を記念して、アジア初の西洋式の劇場にして上流階級の社交場として建設したそう。コンサートホールにもなってるので、チケット買えば入れるのかも?場所は、聖オーガスティン教会の前にあるモスグリーンの建物なので、すぐわかります。



7.何東圖書館/Biblioteca Sir Robert Ho Tung(ロバート・ホー・トン図書館)

写真、右側の黄色い建物が図書館。正面の緑の建物は修道院。修道院は世界遺産じゃないけど、こうして建ってると、世界遺産とそうでないものの差がやっぱりよくわからない(少なくとも見た目では)。



これが図書館なんて素敵。
竣工は1894年以前、図書館として開館したのは1958年。
もともとポルトガル人の邸宅だったものを、1918年に香港の大富豪:ロバートホー・トン卿が購入し、別荘として使用。それをマカオ政府に公立図書館として寄贈したとか。
ちなみに、聖オーガスティン広場を入って右側にあるレモンイエローの建物なので、これもすぐわかります。



8.聖若瑟修院大樓及聖堂/Igreja e Seminário de S. José
(聖ヨセフ修道院及び聖堂)

1728年に建築された修道院は、多くの優れた宣教師達を輩出した名門(?)。残念ながら修道院は非公開ですが、聖堂は見学することができます。ここにはフランシスコ・ザビエルのご遺骨が一部祀られていると言われています。


ザビエルが日本に来たのは1549(天文18)年、乱世の頃。翌年には南蛮貿易が開始され、マカオを拠点に日本、中国(明)、ポルトガルの三国の商品が取引されるように。日本とマカオの関わりはこの頃から。




9.聖老楞佐教堂、Igreja de S. Lourenço(聖ローレンス教会)

マカオの最も古い教会3つのうちの1つ。1600年代半ばに建てられ、現在の外観になったのは1846年。ステンドグラスがきれいだったなあ。



私はクリスチャンじゃないので作法がよくわからないのですが、飲食物は手に持って持ち込まないとか、せめて入るときは帽子を取るとか、お祈りしてる人がいたら静かにするとか、そのくらいで大丈夫でした。周囲の町並みは西洋っぽい、静かな住宅街でした。




10.亞婆井前地/Largo do Lilau(リラウ広場)
見落とすところだったけど、これも世界遺産です。
世界遺産というとすごい場所で、観光客がたくさんいるような光景を思い浮かべがちですが、こんなに庶民的なものもあるんですね。



住宅街の中の小さな公園という感じで、地元のポルトガル系の人たちが大きなガジュマルの木陰で涼んでいました。どちらかといえばその周辺の住宅とか雰囲気の方が見ていて楽しいかも。
ちなみに、「リラウ」は山水、かつてはここに湧き水があり、重要な水源だったそうです。ポルトガル人が初めて定住した地域で、使われていた井戸は現在は塞がれています。




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<編集後記>
マカオの世界遺産は(いまのところ)、ごく一部を除いて、教会でも内部の撮影はOKだし、入場料や拝観料もありません。警備員もいるけれど、監視しているような威圧感もありませんでした。
ただ、道幅が狭いがゆえに、建物全体がカメラに収まらず、写真が撮りにくいところも存在します。段差でコケたり、人にぶつからないようご注意を。


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