昭和史|占領期:オキュパイド・ジャパン製品(1)

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日本は「モノづくりの国」と言われ、生活用具をはじめ、明治時代に輸出された数々の工芸品、戦後の工業製品や精密機器の話はよく聞くけれど、「オキュパイド・ジャパン」製品のことは、あまり耳にすることはなかったように思います。

手描きのコースター。制作年、製作者共に不明。
 

何か、そこだけぽっかり抜けている感じ。「敗戦」のつらいイメージもあるし、「占領下時代の数年間に作られた輸出品」だから手にする機会も少なかったり、気づかなかったり。

 

1945(昭和20)年8月15日、日本政府はポツダム宣言を受諾し、無条件降伏をしました。この日は、戦争が終わった日でもあるけれど、連合軍による占領下時代の始まりでもありました。連合軍といっても、実質はアメリカ軍による統治でした。

復興の兆しも見え始め、サンフランシスコ講和条約によって一応の独立をした1952(昭和27)年4月28までの6年8カ月もの間、占領は続いていました。

裏側に「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の表記
 

1947(昭和22)年から少しずつ民間貿易が再開されたものの、今のように自由にできたわけではありませんでした。占領下では、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指令が最高の法令、そのGHQからの指令のひとつに、日本からの輸出品の全てに『Made in Occupied Japan(占領下の日本製)』の刻印を付けるというものがありました。

この指令は、1949(昭和24)年 2月に改正され、”Occupied”の表記は原則として不要になりましたが、実際のところ、講和条約の発効前後までこの刻印をし続けた会社が多かったようです。

 手作り感満載のぬくもりある製品もあれば、こんなすごいものを戦後たった数年で作れるようになったのかと驚くような精巧なものもあります。

このオキュパイド・ジャパン製品にはコレクターの方々がいるそうです。私はコレクターではないし、コレクターを名乗れるほど所有していませんが、日本の歴史と共に、少しずつ紹介していきたいと思います。 

 

占領期カラー写真を読む: オキュパイド・ジャパンの色 (岩波新書 新赤版 1964)

メイド・イン・オキュパイド・ジャパン (小学館文庫)




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