東京|手描き看板と、のりトースト:珈琲専門店エース【2024年閉店】

最近、久しぶりにJR神田駅周辺に来る機会に恵まれているので、純喫茶やレトロ喫茶ファンにはお馴染みの「珈琲専門店エース」さんにお邪魔してきました。わざわざ遠くから人がやってくる人気店ですが、朝は出勤前のサラリーマンでほぼ満席でした。

 お店の外にも中にもある看板やメニューは、オリジナルのフォント。全て手描きなのだそうです。写真は撮れませんでしたが、店内に飾られている「世界の珈琲産地分布図」も一見の価値ありです。

注文を取りに来てくださった紳士と、カウンターの向こうの厨房にいる紳士が何だか似ているなと思ったら、ご兄弟なのだとか。接客担当が弟さんで、厨房にいるのがお兄さんのようです。


こんなにいろんな珈琲を取り扱っています。日替わり珈琲を楽しみに、テイクアウトで買いに来るサラリーマンも。店員さんは大忙しだと思いますが、店内の雰囲気はほどほどの活気はあるものの、お客さんはみんなゆったりしていました。


 

もともとはご両親が、戦後間もない1948(昭和23)年に「喫茶シミズ」を開店。
1971(昭和46)年に、お父様とご兄弟が「エース」をオープンしたのだとか。お店の外には、「喫茶シミズ」の貴重な写真が飾られていました。

 

看板が素晴らしくて、見ていて飽きない(笑)。
今の時代、かっこいいフォントはたくさんあるけど、手間をかけた感じや温かみっていいですよね。

 


 

 

創業時から提供している人気メニュー「のりトースト」はこちら。
バター+しょうゆ+焼きのりという思いつきそうで思いつかなかった組み合わせ。のり弁をヒントにして開発されたそう。

 

バター、しょうゆ、焼きのりくらいなら我が家にもあるゾと、愚かな筆者は自宅で試しに作ってみたけれど、そうそうおいしくできるものではないことだけは、よくわかりました。




今では他の喫茶店でも「のりトースト」を提供しているところがあるものの、元祖はこの「エース」さんで、同業者にも惜しみなくレシピを伝授されているとのこと。神田まで来られない方にも味わえるチャンスがあるといえばあるけれど、どこのお店がそのレシピを受け継いで、忠実に再現されているかまでは情報は掴めず。

 

手描きの看板やメニュー、息の合ったご兄弟の切り盛りなどを考えると、やっぱり来店して欲しいなあ。

 


Retty:珈琲専門店エース
https://retty.me/area/PRE13/ARE11/SUB1101/100000012191/

 

ありがとう。おしかったです!最近ちょっと疲れていたけど、元気が出た。
また来ます。

 

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【編集後記】
ほんと、手仕事感が満載。コツコツとお店を作り上げて来たことが伝わってきます。1日の仕事を終えてお店を閉めてから、あるいはお休みの日に1つ1つ丁寧に描き続けてきたのだろうと思ったら、ふと「おやじの背中」という言葉を思い出しました。今では死語なのかな。ブログを書いている私が言うのもなんだけど、逆に今の時代は言葉で色々言い過ぎるのかもしれないですね。
昭和レトロのブームがありますが、形に残っているもの、つまり”成果物”だけではなく、それができるまでのプロセスや、昭和の人達の働き方、仕事に対する思いの深さを感じ取ることは忘れないようにしたいと思います。
そういう意味でも、ここもまた非常に貴重な空間、貴重な味でした。

 【追記:2024年5月】
臨時休業からそのまま閉店されたそうです。神田に行くと立ち寄りたりたくなるお店で、かわいらしいお店は神田駅前の一景として思い浮かぶほどでした。再開を楽しみにしていたので非常に残念です。神田は、コーヒー豆も売ってる喫茶店やレトロ喫茶が多いのですが、中でもここは人気があって、朝から混んでいました。コーヒーやトーストも楽しみだったけど、手書きの看板を眺めるのも好きでした。53年間、お疲れさまでした。

 

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