東京|あれから約8年「パーラー・キムラヤ」(港区新橋)

久しぶりに新橋の「パーラーキムラヤ」さんへ。以前にもブログで書いたけれど、2024年も後半に入った現在でも変わらずに繁盛していることが何だか嬉しい。


その間にコロナ禍があったり、今でも材料高騰、その他支払の増加、人手不足、後継者問題など個人経営のお店は厳しい状況が続いています。なので、チェーン店よりも個人経営のお店に足を運び続け、仮にキャッシュレス対応を始めたお店であっても現金払いを貫いてきたけれど、ふと思った。支えられているのは私達の方ではないかと(笑)。

 

 
キムラヤさんは、1966(昭和41)年8月、新橋駅前ビル1号館竣工とほぼ同時期に入居したので、58年もここで営業。58年も同じ場所で看板背負って仕事をし続けることがどういうことなのか、公務員やサラリーマンには絶対にわからないことですが、とにかくすごいと思います。

 

2023年には隣の2号館と共にこのビルが解体されるとの噂もあったけれど、まだ大丈夫そうです。レトロ好きにとっては嬉しいことなのですが、それでもいつかは解体されてしまいます。 まだピンと来ないあたり、「いつかは親が亡くなることはわかっているけれども、まだ想像がつかずに何をしてよいのかわからない子供」のような状態です。同じような人、いるんじゃないかな。

時代が違うから当たり前ではあるのですが、もうこういうお店とかって新たにはできないと思っています。色彩感覚とか空間の使い方、内装の資材なんかもそうですけど、日本が元気だった頃の感性とはもう全然違いますからね。




パフェやケーキなんかも今はすごくお洒落で洗練されているし、何より「映え」を意識しているのできれいなのですが、世代もあって昭和スタイルにホッとしてしまいます。車のデザインも昔は丸いお目目のようなライトでかわいかったなあと思うのと似ていますよね。

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【編集後記】
すっかりお年を召されとはいえ、店主さまがご健在であることも嬉しいですよね。ここ数年、「老人も働かなければいけない時代」「あんな年齢まで働いて楽しいとかあるわけないだろ」という論調で書かれた記事を見かけます。確かに年老いても働かないと生活が苦しい時代なんてひどいなあ(誰がした?!)と思う一方、こうしてお店を持っている人や、NPO法人を立ち上げた人、物を教えている人、講演活動をしている人などもたくさんいてくれるのは有難いと思っています。昔みたいに「隠居」「引退」をさせられてしまい、年を取ったという理由だけで何も活動できなくなるのかと暗い気持ちになりますしね。どうせ老人になっても働かなくてはならない時代なのであれば、まだ多少は若さが残るうちから考えておきたいなと思います。働きたい人は働いて、もう働きたくない人は働かなくてもいい、選べる老後っていうのが本当はいいのだけれど。

 

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