台湾|日本統治時代の建築:台湾鉄道「台中」駅【引退】

台湾鉄道「台中」駅!鉄道工事は、日本統治時代の1905(明治38年)に始まり、開業当時の駅舎は木造だったそうですが、1917(大正6)年に現在のこの駅が完成したそうです。



東京駅っぽいと思ったら、東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店などを設計した建築家・辰野金吾によるデザインの流れを汲んでいるとか(設計は、台湾総督府鉄道局に勤務していた建築家・松崎萬長氏)。


1935(昭和10)年4月の新竹・台中地震と、1999年の921集集大地震で二度被害を受けたが、100年以上活躍しています。

ホームに向かうと、駅員さんが、紙でできた厚い切符に鋏を入れたり、回収したり。お客さんが通らないときに、カチカチと鋏を鳴らす音が心地よく響いていました。東京では自動改札が当たり前になりましたが、昔はこうした光景が当たり前。

改札を入る人の切符に鋏を入れ、出る人の切符もチェックするので、通勤時間は大変ですが、不正乗車は大抵バレてるようでした。そういえば今の若い人に「キセル」といってもわからないかもしれませんね。




木の引き戸、広告が書かれた木のベンチ。
数十年前の日本にはこういう風景があったように思います。





ホームも何だか懐かしい感じ。
日本国内でも地方ならまだこんな感じの駅は残っていますが、東京はすっかり様変わりしてしまい、見かけることはなくなりました。こうした駅舎って温かみを感じますよね。


車両もレトロ。


 

ここから高雄に向かいました。

 

*  *  *  *  *

【追記:2023年4月】

この二代目駅舎は2016年年に役目を終え、「台中駅鉄道文化園区」になったそうです。三代目の駅舎はとても近代的なので、その対比も面白いですね。

台中駅鉄道文化園区
https://www.tcrp.com.tw/

台北ナビ:台中駅
https://www.taipeinavi.com/special/80014647



台湾と日本を結ぶ鉄道史 - 日台鉄道交流の100年 (交通新聞社新書108)

台湾に残る日本鉄道遺産 - 今も息づく日本統治時代の遺構 (交通新聞社新書040)






コメント