東京|昭和元年創業:名曲喫茶ライオン(渋谷)/追記:道玄坂エリアを「街並み再生」

名曲喫茶が減り、現存するのは高円寺や本郷、渋谷など普段の行動範囲とはちょっと外れたところだったため、「いつか行こう」と先延ばしにしていました。今年の目標のひとつは「先延ばしを減らす」ということで、渋谷の「名曲喫茶ライオン」に行ってきました。


装てんは新しいけど老舗感いっぱい。ちなみに店内は写真撮影禁止&おしゃべり禁止。本を読んでても、スマホをいじってても音を出さなければいいみたいですが、基本は「クラシック音楽に酔いしれる!」です。

 


1926(昭和元)年、初代店長の山寺弥之助氏が24歳のときに創業。外装・内装全てのデザインを自ら手がけたという凝りよう。空襲で焼失したものの、戦後1950(昭和25)年に同じデザインで再建、当時のインテリアが今も変わらずに残っています。

 

 

これを聞いただけでも撮影不可というのが非常に残念ですが、店内1階の奥に鎮座する巨大なスピーカーは、パイオニア社に特注でつくらせた3Dサウンドシステム。心落ち着くちょうどいい照明やインテリアなどを見たら、そう思うこと必至。HPや画像で見られるので「名曲喫茶ライオン」で検索してみてください。

このドアを開けるのは少し勇気が要るけど、開けると異世界っぷりがすごい。


中に入り、席に着くとリーフレットが手渡されます。チャージないけど、何かドリンクを注文することになっていますが、コーヒーにもこだわりが。初代オーナーの従兄弟がロンドンの「ライオン・ベーカリー」で修業して覚えた1950年代のレシピを今も受け継いでいるのだとか。


毎日15時と19時に「定時コンサート」が行われる・・といっても、生演奏ではなく、ひたすらレコードを聴くだけです。

 


それ以外の時間はお客からのリクエストを受け付けてくれます。CD、MD、レコードの持ち込みも可能。ただし、「下記の事項のご協力をお願い致します」とのこと。

  1. リクエストは1グループ1曲とさせて頂きます。
  2. 近代、現代音楽等の当店にそぐわない曲はお断りする場合がございます。
  3. 長い曲は、前半か後半や楽章毎でお願いする場合がございます。
  4. 所蔵5千枚を誇る当店でも、お客様のご希望にお答えできない場合がございます

 

個人的には、このリクエスト受付っていいなと思いました。
この日、シマノフスキーの「ヴァイオリン協奏曲第1番」、その後に、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」がリクエストされました。どちらも知ってるけど、いくら自由に音楽が聴ける時代だからといって、シマノフスキ―を聞いたあとに、ガーシュインを聴くことってないなあ(笑)。
何が飛び出してくるかわからないので、そういう楽しみもあります。

 

ハマる人はハマると思う。

 

名曲喫茶ライオン
https://lion.main.jp/


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【追記:2023年6月9日】
やはりこのあたりも再開発に。東京都は、2023年6月7日、渋谷区の道玄坂2丁目エリアを「街並み再生地区」に指定しました。つまり、渋谷109や百軒店も解体されることになりそうです。この名曲喫茶ライオンも・・・・このあたりは、他にも歴史ある名店もあるので、悲しいです。


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