東京|秋葉原駅の牛乳スタンド #牛乳で乾杯

久しぶりに秋葉原駅を利用したので寄ってきました、「牛乳スタンド」。 始まりは戦後復興期の1950(昭和25)年、雪印乳業(現・雪印メグミルク)の駅構内店として御徒町駅にオープンしたのが始まり。


運営しているのは「大沢牛乳」さん。秋葉原駅には1951(昭和26)年に出店。総武線の千葉行き(6番線)と御茶ノ水行き(5番線)の2つのホームにお店があります。

駅構内で立ち飲み形式で牛乳を提供するミルクスタンドは戦後に流行し、最盛期は昭和40年頃、山手線の駅に12店、京浜東北線の駅に7店、ミルクスタンド専業店が首都圏に24店舗あったそう。 

 

ミルクショップ酪
JR秋葉原駅の総武線6番ホームにあります。


牛乳ってこんなに種類あるんだ?って日本人でも驚くけど、外国人観光客や海外からの出張者は驚いていました(笑)。野菜ジュース、酵素ドリンク、青汁など牛乳以外のものもありますが、50種類以上あるんじゃないかなと思います。


開店当初は、昔の銭湯でもおなじみの、牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、いちご牛乳など雪印商品5種類程度だったそうですが、今では東京ではなかなかお見かけしない「ご当地牛乳」も揃っています。


 「地方から出てきた人が、ふるさとの牛乳が飲めたらうれしいはず」という思いからだそう。


持ち帰りたい気分に駆られるけれど、ごく一部の商品を除いて、持ち帰りはできません。お金を払うと、蓋を外して渡してくれるので、その場で飲み干し、瓶を返却する・・というシステムです。

 

お店が駅のホームにあり、大抵の人が通勤や仕事の移動など、忙しい人が多いからっていうのもあるけど、その早業は、昭和時代にあった駅の売店を思い出させます。

(拙記事)
鉄道と駅舎|湘南電車型の駅売店/バーコードがない時代のKIOSKの思い出


1日何本くらい売れるのか見当つきません。


お店の横には、珍しい「牛乳の自販機」が数台並んでいます。これなら持ち帰りできる!


パンと牛乳の店「ミルクスタンド」
JR秋葉原駅 総武線ホーム

 

こちらは、牛乳瓶がよく見える場所にショーケースがあるので、写真が撮りやすかったです。見ているのも楽しい。

 


コーヒー牛乳、いちご牛乳、フルーツ牛乳はお馴染みだけど、オレンジ牛乳やパイン牛乳、メロン牛乳もありました。


牛乳=健康づくりに欠かせないと言われているし、漢方的に見ると、牛乳は元気と血液・津液を補うなどの働きがあり、体の乾燥や元気、血不足などによいのだそうです。子供の頃、給食の牛乳を飲める子=元気な子のイメージでしたよね。

 

日本ではじめて牛乳が飲まれたのはいつのなのか?
西暦645年(飛鳥・奈良時代)に朝鮮半島から来た人が天皇に献上したのが最初だと記録が残っているそうですが、庶民の飲み物となったのは明治時代、文明開化後。意外と遅いのですね。 


酪農というと北海道?と思ったら、発祥は千葉県。江戸時代8代将軍徳川吉宗公が白牛(インド産)の乳から乳製品がを作ったのが始まり。そして、1863(文久3)年、千葉県出身の前田留吉という人が、オランダ人から搾乳や処理の技術を学んで、横浜で日本初の牛乳の製造販売。明治政府が北海道の開拓に酪農を取り入れ、牛乳の宣伝をしたことで一気に庶民の間に広まったとか。


牛乳なんてどれも同じじゃないの?と思いがちですが、高原で濃厚な牛乳を飲んだり、アイスクリームを食べると、どうしてこんなに味が違うんだろう?と思いますよね。牛の種類だけでなく、味は健康状態や温度・湿度、食べている餌など様々なことに左右されるので、個性があって当たり前なのだそう。それに加えて、いつも同じ品質や味の牛乳を提供するのはとても大変なことで、そういったところにも酪農家さんたちの努力があるのだそうです。

X(旧Twitter)でうのきさんという方が、日本乳業協会の方に聞いた内容を短い動画にしてくださっています。
https://twitter.com/UNOKINOKI/status/1686171150026752006?s=20

 

 

 

2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻などを契機に、牛のエサとなる穀物や燃料の価格が高騰してしまいました。コロナ禍の影響で牛乳の消費が激減していたのに、さらに大量に余る事態となり、せっかく搾った生乳を大量に破棄しなければならなくなりました。

これだけでも酪農家の経営は危機的なのに、今度は日本政府が、ミルクが余るからと酪農家に牛の大量処分を要求(1頭にあたり15万〜20万円かかるという、それは税金)、そして今度はバターが足りなくなるから輸入するとかわけのわからないことをやっています。酪農をやめる「離農」が増えたり、牧場で売っていた牛乳を販売中止したりといった事態も起きているそうです。

 


一度廃業した商売を復活させるのは、とても大変なものだと思います。とくに、生き物を扱う仕事では利益が出るまで、どのくらいの時間と費用がかかり、どのくらいの技術や人手が必要なのか。


X(旧Twitter)では、「国民全員が一ヶ月に一杯多く牛乳を飲むと酪農情勢が大きく好転します」という呼びかけと共に #牛乳で乾杯が、また農水省とJミルクが推進している#牛乳でスマイルプロジェクトのほか、#酪農を守りたいもあり、多くの投稿が寄せられています。


牛乳でスマイルプロジェクト
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/gyunyu/lin/gyunyu_smile.html


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<編集後記>
個人が消費できる量は大したことないけど、みんなで飲んだり料理に使えば、少しは助けになるだろうか??真夏だけど、今晩はシチューを作るよ!明日の朝は、フレンチトースト、おやつはプリンだ!
それにしても、牛乳を捨てたり乳牛を処分したりで税金使って、牛乳が足りないからまた増やせとか、意味わからないですよね。そんな簡単に調整できないと思うし、酪農家はたまらないと思います。一消費者ができることなんてたかが知れているとはいえ、生産者のことって、もっと知られていいと思うなあ。

 

 

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