台湾|冬の阿里山/もうすぐ開設100年、阿里山郵局(嘉義縣阿里山郷)

台湾南部・嘉義県にある「阿里山」に行ってきました。
嘉義県は、熱帯と温帯の境界であり、北回帰線が横切っているため、夏至の日に太陽が真上を通過するときは影がなくなる現象が起きる地点でもあります。とはいえ、2000m級の山々が連なる高山地帯、真夏の日中でも最高20~25度程度で、朝晩は15度以下になり、11月~3月はダウンジャケットが必要なくらい冷え込みます。稀に積雪もあるそうです。



今回行ったのは12月中旬。東京から来るとつらい寒さでもなく、夜でも5度くらい。台湾の人達にとっては十分な寒さで、普段着ることのないダウンジャケットや毛糸の帽子、イヤーマッフルなどの防寒着に身を包み、「寒い、寒い」と大はしゃぎ。
 
 そうして寒さを楽しむの台湾流なのだとか。




阿里山は、ひとつの山の名前ではなく、祝山、大塔山、塔山など18の標高2000m級の山々がそびえる高山一帯を指す名称で、最高峰は大塔山で標高2,663m。樹齢1000年を超えるタイワンヒノキやベニヒノキが自生して群を成しています。
 
森林浴というには壮大過ぎる、木々が癒してくれるかもしれないが、畏れ多くもある、すごいところに来てしまったなあという感じ。
 
ちなみに、阿里山では暑い時期は避暑地として、冬は日の出や雲海が見られるスポットとして人気があるそうです。
ここへのアクセスは、阿里山鉄道という手段もあったけれど、今回はバスで登ってきました。平地にいたときにはバナナや椰子の木など南国らしさいっぱいだったのに、登っていくにつれ、車窓から見える植物が茶葉や針葉樹などにどんどん変わっていきます。たった数時間でこれほど風景が変わるのかというくらいです。

頂上に近づくと、12月の空にしては明るく青いけど、木々の種類も葉の色も、台湾のイメージとはだいぶ違いますよね。




台湾で一番高いところにある「阿里山郵局」
阿里山停車場付近にある朱塗りの建物、レストランか宿泊施設かと思ったら、郵局(郵便局)でした。
台湾で最も標高の高いところにある郵便局として知られ、100年近い歴史があるそうです。この建物は1985年竣工で、3代目。



阿里山郵局は1907(明治40)年4月に設置されものの、何故か翌年の2月29日に一度撤去。1911(明治44)年10月に阿里山三等郵便局として再設され、1941年に阿里山特定郵便局となったそう。今ほどインフラが整っていないにも関わらず、こんなに高山地帯で郵便局が機能していたことに驚きます。

最初に建てられた阿里山郵便局は建物がヒノキ造りだったため、後に大火で焼失。1967年2月に第2代目の郵便局舎が再建されました。
1976年に阿里山の沼平駅近くで大火が発生した際、郵便局は災禍をまぬがれたものの、焼け出された商店地区や旅館地区と共に郵便局も1985年現在の地に移転、同年6月25日、3階建ての第三代目の阿里山郵局がオープン。
建物が焼失した上に、運営も「中華郵政」、日本統治時代の面影が全くないので、素通りしてしまいそうですよね。
オリジナル切手や消印があるそうで、ここから手紙を出す方もいるそうです。そういうお土産もいいかも。


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【編集後記】
さて、聞きなれない「三等郵便局」とは何ぞや?
明治時代の郵便制度において、1898年の官制改正で郵便受取所から改称された郵便局。明治時代に公費で郵便局を全国に設置することが財政的に難しかった中、全国にいち早く郵便制度を浸透させるため、地域の名士や大地主に土地と建物を無償で提供させ、郵便の取り扱い事業を委託する形で設置された郵便局のこと。日本統治時代の台湾にも適用されました。
今はどこにでもある郵便局ですが、普及は大変だったんですね。一方、日本では郵政民営化が決まりましたが、こうした歴史を思うと、民営化ってすべきなんでしょうか?

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