鉄道と駅舎|明治~昭和の三時代トンネル:JR横須賀線「田浦」駅

東京からJR横須賀線で1時間20分くらい、「横須賀」駅の1つ手前にある「田浦」駅。トンネルは、下り・横須賀方面には3つあり、それぞれ明治・大正・昭和に造られたそうです。


どれがどの時代のものか、わかりますか?古い順にすると、

  • 中央のトンネル:横須賀線開通の1889(明治22)年に完成
  • 右側のレンガ造りのトンネル:1924(大正13)年の複線化により増設されたもの
  • 左側のコンクリート製で、戦時中の1943(昭和18)年に海軍の要請により軍需輸送専用の引込み線用に造られたもので、現在は廃線。


ホームの両端とトンネルの壁がくっついています。ちなみに、上り・東京方面には2つ。



また、この駅の特徴として、現在の11両編成の電車ではホームに収まりきらず、ドアが開かない車両がある全国でも珍しい駅なのだそうです。ホームに、広告看板がないのも特徴かも。

駅の開業自体は1904(明治37)年だそうですが、現在の駅舎は、いつ竣工したのかわかりませんでした。ホームの屋根は戦時中に建設され、木製とレール型鉄製のものが混在し、増築した跡も見られます。





駅舎の外観は、こんな感じ。
京浜急行電鉄本線の「京急田浦」駅とは直線距離で北西へ約1.5kmほど離れています。乗り換えはできないし、雰囲気もかなり違います。駅周辺には旧海軍の建築物も残り、海上自衛隊や海上保安庁の関連施設や倉庫群があるほか、吾妻島(米海軍の倉庫、立ち入り不可)が近くにあります。

JR横須賀駅も、京浜急行・横須賀中央駅に比べると何もないような印象を受けますが、一応、道路を渡れば公園やカフェがありました。けれど、田浦駅を海側(北口)に出れば、もうレトロな倉庫群の入り口です。




駅前にはコンビニもなく、飲み屋さんらしきお店と自販機のみ。営業しているのかなあ。反対側(南口)にはかろうじてロータリーはありましたが、やはりコンビニ等はありません。


少し歩いたところにある商店街のパン屋さん・サンエトワール田浦店では、「田浦トンネルサンド」という恵方巻みたいな形のヒレカツサンドを売ってるそうです。国道16号に出て右折、田浦町3丁目の信号機付近だそうです。
倉庫群については別記事をアップします。


ちなみに田浦~横須賀間の車窓から見えるのは、軍港らしい風景。横須賀に行くときは京浜急行で横須賀中央駅を目指すと思いますが、JR横須賀線で途中下車をすると、また違った横須賀を楽しめると思います。




横須賀市観光情報:JR田浦駅
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2744/walk_taura/b10022.html


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