東京|新有楽町ビル/建替えは使えるかどうかより・・【2023年解体予定】

隣にある有楽町ビルヂングと共にこちらも建て替え、2023年に閉館が決まっているそうです(2021年7月29日に三菱地所=発表)。


竣工は1967(昭和42)年1月。地上14階、地下4階、塔屋1階建てのオフィスビル。強い青味を帯びた黒の外観は、ビルの外観としてはあまり見かけない色。また窓の意匠もユニークです。

 


建物の重厚感もさることながら、1870年(明治3)年創業の日本最古のホテルの一つとして有名な神戸の「オリエンタルホテル」が経営するレストランも入り、なかなか素敵な雰囲気でなのですが、これが建て替えた後どうなるのか?

最初は「オフィスや飲食店を中心とした複合ビル」という構想だったが、「銀座との結節点として、ファッションやメディア系のテナント誘致や、様々な実証実験の場としての活用等も検討している。」 に変わっていました。もしかしたら走りながら考えているのかな?


 

このビルに限ったことではないけれど、築50~60年の間に多くのビルが建て替えられていて、ちょうど高度経済成長期のビルが、今次々と解体されています。老朽化とか、耐震、設備の古さ、スペース(主に高さ)など様々な問題があるとは思いますが、一番の理由は「資産価値」だろうなと。



日本では鉄筋コンクリートの事務所用ビルの耐用年数(物としてではなく、減価償却資産として)は50年。これは財務省・国税庁が定めた税制上の数字なので、建築物としての耐用年数はもちろん、「実際にまだ使えるし、きれいだし、どこが問題なの?」と感じる私達の感覚とは大きなズレがあります。
企業としては、資産価値がなくなってしまったものを持ち続けるよりは、大きくてきれいなものに建て替えたいと思うのも無理もないのですが。それにしてもどうして「50年」なのかなあ??と思います。


日本は歴史がある、アメリカは歴史が浅いのは事実なんですけど、かつては「うちは歴史あるから(エッヘン)」みたいに思ってるフシがありましたよね。数年前にロサンゼルスに行ったとき、軽く築50年を超えてる古いビルが普通に使われていて、歴史を感じてしまいました。



そのうち日本で古い建築って、お寺とか観光用の歴史地区とか、文化財指定したものしか、まともに残らなくなっちゃうんじゃないの??それにしても壊し過ぎな気もするのですけど。


 


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