東京|昭和のセンスが光る:有楽町ビルヂング【2023年解体予定】

有楽町駅西口を出てすぐのところにあるワインレッドのビル「有楽町ビルヂング」。竣工は高度経済成長期の1966(昭和41)年5月。外見は控えめな印象だけれど、一歩中に入ると、飴色のタイルの美しさに目を奪われます。


残念なことに、建築ファンにも愛されているこのビルも、とうとう建て替えられるらしい、と聞きました。時期は2023年頃とか。

 

このあたりの名作ビルができた高度経済成長期は、法規制も目まぐるしく変わっていました。特に1963(昭和38)年に建築基準法が改正され、ビルの駆け込み着工が相次いでいたそうです。
生まれてないから知らないけれど、このとき有楽町の街並みは大きく変化したと思いますが、またガラリと変わることになりそうです。



かつて、JR山手線・京浜東北線有楽町駅西口には、1945(昭和21)年暮れに開館したスバル座とオリオン座の二つの映画館がありました。スバル座は1953(昭和28)年9月により焼失、オリオン座は1956(昭和31)年9月に閉館。
その跡地を毎日新聞社が取得したものの、1964(昭和39)年に三菱地所が買収したそうです。1966(昭和41)年の竣工の頃には、前年の証券不況と賃貸オフィスの過剰供給によって入居率は3割ほどだったとか。


こんなに駅に近いのに、今ではちょっと想像つかないですよね。
エントランスにある階段ホールには、見事な飴色の陶板タイルと鏡面仕上げのステンスの手摺り。この2つを組み合わせるセンスにも脱帽!

何焼きかわからないけど、こういうお皿ありますよね(笑)。色ムラがあって、どれひとつとして同じものはないけど、同じじゃないからこそ、いい感じになるのかもしれません。


 

 一部だけ赤かったり、黒かったり。何を意味しているのかは不明です。



床もきれいに磨かれて、今の時代とは違うキラキラ感が。
照明も優しい色ですよね。やけに明るいLED照明より、昭和育ちの目(老眼)にはこういう照明の方が楽だったりします(笑)。かえってよく見える気が・・・・


 

ビル内には、老舗インドカレー店「マーブル」と、有名なレトロ喫茶「ストーン」が入っています。


今回は時間がなくて入れなかったけれど、いつか記事にしたいと思います!また、年子の兄弟ビルと言われている「新有楽町ビルヂング」については別記事にて!


この辺も変わるんだろうな・・と思い、地図は画像にしました。


 

【追記:2023年1月】
1階のレトロ喫茶「ストーン」に行ってきました。建替えは2023年秋にほぼ決定しているそうです。
(拙記事)東京|石材店ならではの喫茶店:ストーン(有楽町)

 

 

コメント