台湾|台北で最もおいしいと噂の夜市:寧夏市場(台北市大同區)

台北だけでも市場がたくさんあり、どこがいいのか?おいしいのか?どこもそれほど変わらないという人もいれば、それぞれ特徴があって面白いという人も。私は何か言えるほど市場を知らないので適当にウロウロしつつ、今回は「寧夏夜市(ニンシャー イェシー)」を覗いてきました。

MRT雙連駅1番出口、中山駅5番出口から徒歩10分弱、民生西路と南京西路、重慶北路のちょうど中間あたりです。全長200~300メートルの範囲なので、士林夜市と比べるとかなり小規模ですが、ミシュランビブグルマン選出店が5店舗以上もあり、台北で最も美味しい夜市として知られています。

 

 

「寧夏」って、日本語でどう読むのか一瞬戸惑いますが「ねいか」でよいそうです。台北市大同區の道路「寧夏路(ニンシャールー)」の名前から名づけられており、寧夏路の名前の由来は、中国の西北部にある「寧夏回族自治区」だそうです。名前の通り回族(イスラム教信仰者)が多く暮らす地域ですが、中華民国時代には寧夏省として中国国民党の支配下にあり、現在は中国共産党の管理・統制下にあります。
まさかそんな遠くの地域の名前が由来とは。それにしても中国って広いなあ。


この市場の特徴のひとつ。寧夏路自体も狭いこともあって、屋台の間の通路もかなり狭く、混んでくると食べ物や飲み物片手にダラダラと歩くことが難しいです。屋台の後ろは割かし広々していて、飲食スペースもあったりするので、流れに乗って進んでいき、列から外れて食べて、また列に戻る・・みたいな感じになると思います。


この寧夏市場のルーツは、日本統治時代。

1900年代初め頃、現在の大稲埕周辺に造られた圓環(ユエンホワン=ロータリー)に木が植えられたことから人々が集まり、次第に屋台が集まるようになったとか。日本の警察は取り締りを行い、追い払っても追い払っても屋台が減ることはなく増える一方だったため、仕方なく営業許可を与え、屋台街が形成されたそうです。
※当時造られた圓環は2001年に取り壊されています。

戦後は、失業者も屋台を出すようになりました。1954年から露店営業は政府の許可が必要となったうえに、毎年更新が必要だったそう。更新した許可証は木の板に焼き印を押していたそうで、古い屋台は当時のものを保存していたりしているそうです(見つけられなかったけど)。

最盛期は1960年代。寧夏市場が・・というより、この付近一帯が非常に活気づいていたそうです。ただ、次第にお客さんが東側へと流れたり、新しい円環の不評、建物のテナント問題や火災により寧夏市場は衰退してしまいます。

愛玉子。暑いときはおいしい。

そんな時代もありましたが、寧夏市場は古い歴史を持つエリアのため、老舗も多く、中には創業80年を超える店もあるとか。台湾の伝統的な小吃もたくさんあり、台湾古来の味を楽しめる一方、若い世代ウケしそうなお店も混在しています。また、寧夏夜市を再び活性化するために環境に配慮した造りにしたそうです。
私が初めて台湾の夜市に来たのは2005年、出店数の多い士林夜市だったからか、空気すら「油っこい」感じがしていたのですが、そうした感じは全くありませんでした。

 


とはいえ、市場はどこに行っても、揚げ物と汁物が多い気がします。
寧夏市場の場合は油の心配はあまりないですが、とにかく通路が細いため、汁物は買ったらすぐ脇道に逸れないと危ない危ない(笑)。
テーブルと椅子もありますが、混んでくるとすぐいっぱいになり、立ち食いすることになりそうなので、両手が空くようにしておくとよいと思います。ただ、満員電車みたいにリュックは邪魔になるので、コンパクトで体に密着するようなポーチがよさそうです。


台湾では海産物を使った料理が多いですよね。
台湾は海産物がよく捕れる場所ではあるけれど、初期の漢民族移住者の多くが福建や広東の沿海地域から渡ってきたこと、スペインや日本など海産物をよく食べる海洋国家に統治されてきたことなどから、消費量も多く、海産物を使った料理も豊富になったのだそうです。


鴨舌(ヤーシャー/アヒルの舌)、麻油腰子(マーヨウヤオツー/豚の腎臓)・・、せっかく台湾の市場に来ているというのに、なかなかこういう珍味系には手を伸ばせずにいます。

滋養強壮ってことでは?

個人的に好き嫌いはあっても、日本だって、モツ、ミノ、ハツといった物や、地方によっては蜂の子やイナゴだって食べているのですが・・。納豆食うのか?クジラ食うのか?タコ食うのか?と欧米人から奇異な目で見られる日本人も、何だろう??中華圏には勝てないというか、食べ物が並んでいるのを見た瞬間に何か負けたような気分になります。

初めて「鴨血(ヤーシエ/中国語圏では鴨という字はアヒルを指す)」を勧められたときは勇気が要りました(今でも要るかな)。台湾の伝統的な食品のひとつで、新鮮なアヒルの血を固めたものですが、血が固まりにくく、値段も高いのだそうです。

昔の農家ではアヒルを絞めた後の血を取っておき、米と一緒に蒸し固めて食べており、これが広まって一般の人の食卓にも上るようになったとか。こうして「もったいない」から始まっていろいろな料理ができているそうです。アヒルの血は固まりにくいため、豚の血を使った「猪血糕」などが多く提供されているそうです。

以前、華西街夜市で蛇の血を飲むお店があってびっくりしましたが、血は栄養価が高く、科学的にも衛生的にも理にかなっているのだそうです。そう聞いてもやっぱりびっくりしますよね。

 

大腸包小腸が、small intestine in large intestine(笑)

 

こちらはタロイモのスイーツです。揚げたタロイモの中からとろ~りと流れ出る、熱い卵黄ソース。まあ、カスタードソースみたいな感じだけど、もっと卵っぽい味でおいしかったです。若い人向けかもしれません。


 夜市が行われる公道には水道や電気、下水設備等のインフラが整備されています。

台湾最大の魯肉飯チェーン店「鬍鬚張魯肉飯」の看板が見える。ここが発祥。

 屋台の後ろ側は割と広い。


 こういう古い建築も面白いけど、すぐそばまで再開発の手が伸びてきています。2024年秋に路面のレンガ舗装改修を中心とした工事を行っているので、さすがにすぐにこのエリアを解体ということはないと思いますが・・・。


台湾で食べられるもの自体が、さまざまな食文化を取り入れ、そこに庶民の知恵や工夫が加わって豊かになった感じがしますよね。
寧夏市場では台湾小吃のほかに、ベトナム料理やタイ料理のほか、日式(日本式)、独式(ドイツ式)と書かれた看板もありました。今回歩き回った市場の中では、一番国際的かもしれない(笑)。

 

暑いから水分補給は必須ですけど、ミネラルウォーターを飲んで、ちょっとお菓子を摘まんだくらいでは物足りないというか、すっきりしないんですよね。果物をその場で絞ったようなジュースがあちこちで売られていますが、それを飲んだらすごくすっきりして元気も出ました。


果物は体を冷やす食べ物ですが(意外なことに筍も)、本当に暑くて疲れた時にはすごく効くなあと思いました。
特にスイカは即効性があるというか、体の余計な熱を素早く適度に取ってくれる「涼」の働きをしてくれるのだそうで、台湾の方にも勧められました。
個人的にはオレンジジュースが本当においしかったのですが、体の熱を冷まし、体内の気の巡りを整えてくれるという薬膳効果があるそうです。カリウムが体内の余分な塩分を排出したり、香りによるリラックス効果もあるし、クエン酸による疲労回復効果もあり。


お腹が空いたから何となく、のどが渇いたから何となく・・ではなくて、本当に体が必要としているものを口にするとこんなにおいしいのかと思いました。普段の生活はそこまで体の声を聴いて、食べ物や飲み物を選んでないですよね。それと、いわゆる食品成分表の栄養価とはちょっと違う、食材が本来持っている力にも結構無頓着です。ほんとに反省です。


些細なところで医食同源を実感しました。
そもそも台湾って土がよいのかな、野菜や果物も元気ですよね。

 

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