湘南|昭和の団地がある風景:浜見平団地(2)【解体】

前回からの続き、今回は3DKのお部屋、内見です!「昭和という時代」を知る人には、温もりを感じて頂けると思います。3DK(和室6帖×1、和室4.5帖×2、DK6帖)のお部屋です。 


部屋の中はとても明るく、ほんのり温かい。せっかくなので公団の歴史を紐解いてみます。

 



公団はフランスでも物議を醸し出した存在だったそうです。
日本の建築にも影響を与えた建築家、ル・コルビジェが設計したというフランスで最も有名な公団「Unité d'Habitation(ユニテ・ダビタシオン)」には、こんなエピソードが。


今は公団建築のお手本とされているが、この建物、建設当時は大変な反対運動を受けている。医師会からは「こんな監獄のようなところで暮らしたら、誰だって精神的におかしくなる」という通達を受け、街の美観保全を担う協会は「人間性に対する冒瀆」とまで非難したらしい。
確かに庭付き一戸建ての家は魅力的である。一戸建てに比べれば、集合住宅は「巣」に見えるかもしれない。だが、経済的にマイホームにはてが届かない多くの人達に明るい部屋と便利な生活を供給するのが、公団住宅の使命ではないか。コルビジェはプロジェクトを遂行したのだ。

(引用)公団住宅はパリのアパルトマン:
 フランスの公団住宅(ユニテ・ダビタシオン)Part2
https://koudanap.wordpress.com/2009/04/24/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%A6%E3%81%AE%E5%85%AC%E5%9B%A3%E4%BD%8F%E5%AE%85-part-2/

 



 


お世辞にも広いとは言えないけれど、これで家族が暮らせるほど、数十年前までは多くのモノを必要とせずに暮せたということかも。




大きな規模の団地だと季節を楽しめるような植栽がきちんと管理され、四季を楽しめます。浜見平団地には長い桜並木がありました。これだけの敷地を管理するのは大変ですが、大規模の公団だからこそできるのかもしれません。



紅葉の時期も新緑の季節もきれいです。季節感はあると思います。
何を以って「豊か」というか、どんなところに豊かさを感じるのかはそれぞれですが、私はこういう風景っていいなあと思います。ほっとします。



商店街といっても小さいけれど、中小規模スーパー、薬局、クリーニング店、飲食店、診療所、歯科医院、美容院、床屋、郵便局、銀行、衣料・雑貨店、お花屋さん、介護サービスなどがありました。また、団地の敷地外ではありますが、近くにはコンビニ、ケーキ屋さん、マッサージ店、毛糸・裁縫道具店等、居酒屋、レストランも揃っていました。





今この記事を書いているのが2016(平成28)年。建替えというのもあるけど、おそらくたった数年で、「懐かしい」と感じる景色になるような気がします。どんどん植栽が減っているというより、何だか町全体、植物が減ってる感じするんですよね。昔はこんなに季節感があったんだとか、木や草があったんだとか。

 

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