台湾|元・米大使館の芸術複合施設:台北之家(台北市中山區)

中山北路という大通り沿いにあるのに、うっかり通り過ぎてしまいそうになる「台北之家(タイペイジージャー)」。映画監督の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)がプロデュースする芸術複合施設で、88席のミニシアター、雑貨のショップ、カフェ、バーが入っています。

この洋館は、1926年の日本統治時代に、駐台北領事館・総領事館+アメリカの領事館として使用されていました。建設したのは、台湾近代の都市開発を担った大型建設事業体「台湾土地建物株式会社」という当時の企業だそうです。


この洋館の主な歴史

  • 1941年:太平洋戦争が開戦。機能を停止する。
  • 1945年:終戦。
  • 1946年:在台北米国領事館として稼働再開。
  • 1948年:総領事館に格上げ。
  • 1949年:中国国民党により接収。中華民国米国大使館大使公邸+職員宿舎として使用。
  • 1978年:米国が中華人民共和国と国交を樹立。
  • 1979年:台湾の中華民国政府とアメリカ合衆国は断交、2月28日を以って大使館は閉鎖。その後は放置され、荒れ放題となっていた。  
  • 1997年:2月20日の公告により国定の三級古蹟として認定を受ける。

2000年に台積電文教基金会の協賛で修復プロジェクトが組まれ、映画監督の侯孝賢プロデュースでリノベーションも行われ、洋館は再び息を吹き返しました。「台北之家」として新たにオープンしたのは、2002年11月。放置されてから30年近くが経っていました。


侯孝賢監督について

1947年生まれ。1973年に映画業界に足を踏み入れ、1980年代から1990年代にかけ、映画「非情都市」など世界的に高く評価される作品を生み出してきました。
1980年代にジャッキー・チェンが飛び回る、快活でコミカルな香港映画を散々観て、中華圏の映画のイメージをこさえてしまった日本人は多いと思います。1990年前後に黄金期を迎えた台湾映画は妙にしっとりしていて、人や人との関係、日常などを丁寧に描く、こういうのもいいなと思わせてくれました。侯孝賢監督は、そんな作品を世に出した監督のひとりだと思います。

建物の外観は旧来のものですが、内装・調度品はリノベーションされ、レトロ感は全くなく、現代風でカジュアルな雰囲気です。



カフェ「羊毛與花(羊毛とおはな)」

日本の音楽デュオ「羊毛とおはな」から名付けたといわれています。室内とテラス席があります。通常のレストランで使用するような大型の厨房設備がないため、本当に軽食のみとなりますが、スイーツはすべて手作りだそうです。


オーダーは、QRコードを読み込んでメニューを開き、そこから注文のみを行います(支払いは、帰りにレジにて)。

週末の夜でも、それほど混んでいませんでした。穴場というほどではないと思いますが、比較的静かに過ごせると思います。

人や車の往来が多い通りとは思えないくらい、静かです。





シアター「光點台北(光點映画館)」
一階の車庫を改造して造ったそうです。定期的にテーマを決めて上映しているそうです(ミニシアターってそうですよね)。映画が観られるくらい中国語がわかる人には面白いかもしれないですが、そうでない私はちょっとスルー。

 

 

光點生活 spot designs 

台湾独自のカルチャーやデザイン雑貨、映画関連グッズなどが売られています。ここも、侯孝賢監督がプロデュースに関わっているそうで、映画ファン向けのアイテムも結構あります。

映画以外のものだと、たとえば「台湾マジョリカタイル」。
日本統治時代の古い建築に使われた吉祥絵柄のものを見かけた人も多いと思いますが、1930年頃にマジョリカタイルが流行ったのだそうです。戦後、台湾の陶磁業が発展して量産されるようになり、1950年代、住宅や団地の建設ラッシュの際に多く使われ、1960年代に入るとさらに様々な絵柄のものが量産されていったといいます。
このお土産用のタイルは嘉義市にある「台湾花甎博物館」で売られているものだそうです。

ドリンクボトルもかわいい。

レトロなポスターの絵葉書もありました。

 

空間としては狭いけれど、ちょっと眺めてカフェで一息つくのもいいと思います。建築を楽しむというほどではないかな。



 

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