台湾|日本統治時代の木造建築:東門市場(台北市中正區)【2026年5月解体】

台北で最も古い市場は、19世紀末から発展した迪化街の「永楽市場(ヨンラーシーチャン)」、現在の建物は1982年に改築。もっとボロい・・じゃなくて、古くて味わい深い市場はないのかな~?ということで、1928年建造の「東門市場(ドンメン シーチャン)」にやってきました。

とはいえ、当時のものがまるごと残っているわけではなく、1989年に鉄骨やトタン屋根を組んだり、各店舗で補強や改装を重ねた箇所があります。それでも、もうすぐ築100年だからこその造りや雰囲気は、他の市場とは違いますよね。

 このあたりには、この「東門市場」と露天の「東門外市場」があります。1979年に拡張された金山南路を挟んで分かれていますが、50年に渡って相互依存しながら、発展してきました。


道の向こうに見えるボロボロの建物が、東門市場。
お、おぅ・・・・。


老朽化も激しく防災面の課題も大きいこと、MRT萬大線の開通工事などの理由から、今年(2026年)5月中には解体が始まるそうです。
2030年には市場スペースと住宅を兼ね備えた地上9階建ての複合ビルとして生まれ変わる予定。工事期間中は、市場の外攤(周辺の屋台や路面店)は近隣や華光特一エリアの中繼市場(仮設市場)移転し、営業を継続するそうです。

華光特一エリア
台北市大安區(金華街、金山南路周辺)の開発区域(旧華光社区)の区画のひとつ。MRT中正紀念堂駅や東門駅エリアの東側。
 
 
 
一応、ここが正面入り口。
 
 
どこまでが市場の敷地なのか、外側からはよくわからないのですが、たぶんこの緑の建物もそう。
 
 
市場には、どこからでも入れそうな感じ。
 
 
もともと日本政府が在台日本人のために造った生鮮市場「千歳町市場」で、一時は台湾で最も大きい市場だったそうです。
終戦後、国民党がやってきて、この市場から外省の料理を広めたといわれています。
外省の料理とは、伝統的な台湾料理とは異なるもので、麺類、小麦粉を使った点心、濃厚な煮込み料理など。おなじみの牛肉麺(ニウロウミエン)、水餃子・小籠包・酸辣湯など。
また、眷村菜(けんそんさい)と呼ばれる燻製料理や漬物などもあります。国共内戦に敗れて台湾に逃れてきた中国大陸出身の外省人軍人や公務員とその家族が集まって暮らした居住区で生まれた家庭料理です。
 
細い路地が入り組み、迷路を形成。広くはないのに最初は迷う。

そんな歴史なので「どこかに、統治時代の日本語の看板や、落書きが残っていないか」なんて期待はできませんが、やはりどこにも見つかりませんでした。
 
台湾の市場あるある、狭い通路に自転車や原チャリが通る。


雰囲気はとても庶民的ですが、高級住宅街にあるため、高級食材や美食にありつける市場としても知られています。
 
  
昭和っぽい感じがしなくもないですよね。
 
 

日本での普段の生活では、野菜もお肉もお魚もビニールやパック、ラップで包装されたものを買っているせいか、最初にこうした市場に来たとき、特に肉売場ではちょっとびっくりしてしまいました。でも、だんだん見慣れてくると、食べ物ってこんなにイキイキしていてきれいなんだと感動できるようになってきます。
たった2個の裸電球に照らされただけのお肉が並んでいるだけなのに、ほんとうにきれいでした。
 
 

市場の奥の方に行くと、もしかしたら竣工当時のもの??と思えるような造りがありました。
 
 
 
訪れたのが、平日の朝8:30頃。学校や仕事に行く前に朝食をとる人たちの姿がありました。
 

市場の古い建物の中から見える外の通りも味わいがっていい感じでした。

 
 
 
あまりに古いので、いつ解体と聞いてもおかしくないとは思っていましたが、まさかぎりぎりで来られるとは思いませんでした。
次回は違う風景になっているんだろうなと思うと、感慨深かったです。

 

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