台湾|凍頂烏龍茶の産地・鹿谷へ(南投縣)/追記:花粉に効くお茶?

医学的根拠は不明だけど、花粉症に効くと話題になった「凍頂烏龍茶」。19世紀に林鳳池という挙人が大陸から伝えられた茶の苗を持ちこんで台湾の凍頂山で栽培したことがはじまりとされています。


その名前から、中国大陸の雪深い山村で春にだけ採れるもので、台湾・南投縣で採れることを知らなかった人もいたほどでした。 産地は南投縣の鹿谷(ルーグー)。

 

南投縣は、沿岸部や内陸部、山間部では気候も随分違いますが、紅茶や紹興酒、たけのこやイモ、バナナやマンゴー、パイナップル、ライチなどのフルーツもたくさん栽培されているます。また、山鶏、川エビなども大変おいしい!食材豊なところです。
ちなみに、南投縣はこんな風景のところ。


 

鹿谷郷農會茶葉文化館(農協が経営するお茶の資料館)に行くと、台湾茶や鹿谷郷に関する展示を無料で見ることができます。こんな立派な書や掛け軸も。中国茶の世界ってすごいなあと思います。



鹿谷郷農會茶葉文化館
https://www.lugufa.org.tw/

これまた本当かどうかはわからないですが、ピンクレディが「美容と健康のため、烏龍茶を飲んでます」と言ったことから、日本で烏龍茶ブームが湧き起こり、それまで日本への輸出量はわずか2トン位だった輸出量がぐっと増えたとか。
そういえば、1981(昭和56)年、伊藤園が世界発の缶入り烏龍茶を発売し、その後サントリーも発売、子供ながらにあの茶色い缶をあらゆるところで見かけた記憶がありました。

凍頂烏龍茶は、手作業によって何度も何度も揉捻し、コロコロとした固く締まった球状にしていくという気の遠くなるような、大変な手間がかかっています。茶農家の人達は、本当に寝る間も惜しんでの作業になるらしく、台湾人Kさんの茶農家の友人は、その時期に入ると全く連絡が取れなくなるそうですよ。

鹿谷(ルーグー)郷は、もともとパイナップルやビンロウ栽培がメインの農村だったらしいのですが、茶葉の栽培に力を入れると次第に農家の収入も増えていき、今では、茶葉長者と呼ばれる人たちが出てくるほど、豊かな村になったそうです。
茶葉長者、茶商、茶道楽・・・と、茶葉ビジネスの世界は潤沢にお金が回っているようですが、お茶といえば茶器(焼き物)も見逃せない。お茶の町にはいい焼き物が・・ということで、凍頂窯へ。


 

日本の三大茶どころは「京都、金沢、松江」ですが、台湾の茶どころというと、どこになるのだろう?「猫空(マオコン)」「鹿谷(ルーグー)」、紅茶だけど「日月潭」・・・他にもいろいろあると思います。
窯というと、仙人みたいな暮らしをしている作家さんとお弟子さんが切磋琢磨しているというイメージですが、そんなことはなく、気楽に入っていける雰囲気でした。

 

カフェやレストランも、宿泊施設も併設。
いけばなのクラスなども開講しているようでした。ちょっと素敵な花器があったけど売ってはいなかったので、残念!


 

中庭には見事なパッションフルーツの木。
おじさんが出てきて、棒で突いて実をボンボンと落としてくれ、「食べていいよ」って(笑)。



  • 所在地:南投縣鹿谷鄉彰雅村凍頂巷10-18號
  • 交通:台中から竹山までバス(台中客運)、竹山から溪頭行きのバス(員林客運)に乗り継ぎ「鹿谷」へ。そこからさらに40分以上歩くことになるらしいので、どこかからタクシーのお世話になるのかなと思います。
    でも、いったいどこで乗れるのか・・・。管理人は南投に住む台湾人の方に車で連れて行っていただいたので、 公共の交通機関を利用してどう行くのかわかりません。ごめんなさい。


宿泊施設については、こちらをご覧ください。

鹿鼎莊(中国語)
http://www.ludin.com.tw/

 

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【追記:2023年4月】
ここ数年、花粉症に効くなど真偽不明のお茶やサプリなどが売られていますが、国民生活センターのHPに「花粉症への効果をほのめかした健康茶にステロイドが含有」という記事が掲載されました。

国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230412_1.html


生薬の成分が少し検出されただけで問題ないという意見もあるようですが、それは少なくとも専門家の意見ではないように思います。上記の件で検出された「デキサメタゾン」は合成の副腎皮質ステロイド、つまり自然のものではないとのこと。「〇〇に効く」と書かれているから、そういう評判だから・・と安易に信じないようにしましょう。花粉症でお困りの場合は、お茶云々より、花粉の季節を迎える前に、医師に相談した方が賢明かと思います。もし既に上記のお茶やそれに似たものを飲んでしまった場合も、医師に相談してみましょう。


※当記事はちゃんとしたルートで正規に売られている「凍頂烏龍茶」の危険性について述べているものではありません。また、「花粉症に効くって聞いたから高いのを買ったのに、効かなかった」といって安易に茶葉を捨てることのないように、お願いしたいです。

 

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