Hawaii|パールハーバー見学(1):パールハーバー航空博物館

せっかくオアフ島に行くのだからとパールハーバーにも行ってきました。見学できる施設は、「パールハーバー航空博物館」、「戦艦ミズーリ記念館」、「USSアリゾナ記念館」、「USSボーフィン潜水艦博物館」4つ。

パールハーバー航空博物館:零戦のジオラマ

今回、USSアリゾナ記念館は点検修理で通常の見学ができないため、船で近くまで行っての見学となりました。まずは、フォード島内に2006年に開館した「パールハーバー航空博物館(Pearl Harbor Aviation Museum)」から。

 

ハンガー37

第二次世界大戦当時の格納庫を利用して、太平洋戦争の際に使用した飛行機や、航空の歴史に関する展示です。日本に関するものとアメリカに関するものの双方が展示されています。

 https://jp.pearlharboraviationmuseum.org/experiences/hangar-37/


日本に関する展示

日本の博物館や資料館は日本のものがほとんどなので、敵国のものをこんな風に展示するの?と、驚くかもしれません。

パールハーバー航空博物館:零戦の説明書き


まず、最初に出会うのが、日本帝国海軍の零戦が空母から飛び立とうとしている場面を再現したジオラマ。日本人視点で観ると、マネキンが外国人で手足が長いのが気になりますが、ドラマチックで雰囲気はありますよね。

パールハーバー航空博物館:武運長久の日本国旗
キャプションは丁寧に詳しく書かれています。
「星条旗じゃ無理ね」って話しかけられました。確かに(笑)。


「武運長久」がかかれた日の丸や、真珠湾を攻撃する為に日本軍が開発した魚雷や爆弾もありました。



アメリカに関する展示

東京を空襲したものと同じ型のB25爆撃機がありました。粗い白黒写真でしか見たことがないような爆撃機が、カラーで立体のものが目の前にあるのは何とも言えない気分ですね。

ガタルカナルヘンダーソン基地に配備されたF4F3ワイルドキャット戦闘機などの飛行機がズラリ。これだけ並べられるのもアメリカだなあと思いました(日本では敷地を確保できないかも)。

ジオラマ展示だからということを抜きにしても、すごくリアルで何だか今にでも飛べそうな感じですが、「ほとんどのものが飛べる状態ですよ」とガイドさん。エェ?日本だったら箱だけ飾るところですが、そんなところからもスケールの違いを感じます。




 

ハンガー79

ハンガー37とここを合わせると、75年以上にわたる航空史が網羅されているので、おそらく航空機ファンにとってはたまらない場所なのではないかと思います。敷地の広さに驚きますが、広さは約2248坪!だそうです。

https://jp.pearlharboraviationmuseum.org/experiences/hangar-79/

 



ハンガー79の格納庫は、1941年12月7日の真珠湾攻撃の際に攻撃を受けた建物のひとつで、映画「トラ!トラ!トラ!」や「パールハーバー」にも出てきていましたよね。


 

青いガラス窓には現在も当時の銃撃の痕が残っています。第二次世界大戦中、この格納庫は整備・エンジン修理施設として使われました。現在は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争時代の貴重な航空機が展示されています。


 

F14トムキャット戦闘機や戦闘ヘリコプターAH-1Sコブラなど、見る人が見るとすぐにわかるんじゃないかなと思います。


 

 

見学について

パールハーバーの各施設は、個人で手配して見学できないわけではありませんが、立ち入りできるエリアにはかなり制限があるそうです。認可を受けた日本人向けのツアー会社があるので、申し込んだ方がよさそう。事前予約が必要なチケットも用意してくれたり、効率的かつスムーズに動けるように手配してくださり、日本人ガイドさんも同行して様々な説明をしてくれます。

 

とはいえ、当然ながら軍はテロ等については一般人の想像をはるかに超えるレベルで慎重かつ神経質です。そのためさまざまな制限があります。たとえば、

  • カメラの持込は可能だけど、カメラケースはダメ。
  • 基本的に撮影はOKだけれど、フォード島へ渡る車内からの撮影は不可。 
  • 施設内に袋類は一切持込禁止で、長財布くらいの大きさまで。

唯一バッグが許されるのは、赤ちゃんのおむつが入ったものくらいだとか。
私がお世話になったツアー会社では、全員のツアー参加者を乗せた後にツアー会社のオフィスに立ち寄って、荷物を預けます。現地に荷物を預ける場所がありますが、有料かつ30分〜40分ほど(混んでるときは1時間以上)並ぶからだそう。持って行きたいものは、ポケットに入れるか10ドルで販売されているクリアバッグに入れて持ち込むことができます。

他にも制限はありますが、ガイドさんが最初に説明してくださったことや施設内の注意書きを守って、普通に見学している分には特に不自由はありませんでした。

 


以前に比べると、ガイド行為も厳しくなっているそうです。
もともと施設内では認可を受けた人でなければガイド行為はできないことになっています。グループで来て、その中の歴史に詳しい誰かが施設内で説明をしていると”ガイド行為”とみなされ、即時にやめるように厳しく注意されるそうです。認定ガイド不在のグループで来た場合は、まとまってひとつの場所に固まらずにバラバラになって、2~3人で行動した方がよさそうです。
そんな感じなので、ガイドさんがそばにいないときはみんな散ってました(笑)。
C国人によるデタラメガイドが発覚したことで厳しくなり、説明内容については一字一句の誤りも許されないそうです。ガイドが説明を行う場所もかなり制限され、施設に入る前に車の中での説明を余儀なくされているそうです。
説明を受けている最中にも、係員の人が車内にチェックしに入ってきましたが、「日本人はちゃんとしている」と思われ、信頼や尊敬すらされているので厳しいチェックをされることはないそうです。実際に1分もかかりませんでした。
近くに停車しているC国人のツアーの車内は、随分チェックされていたようで、20分くらいかかっていたんじゃないかなと思いますが、1時間以上かかっていたこともあるようです。

真珠湾を攻撃した日本人よりも、C国人の方がチェックが厳しいなんて、時代が変わったものですよね。
でも、陸軍博物館でもここでも(時にはペンタゴンにまで)、展示内容の抗議が来たり、独自の解釈や誤った内容を伝えているなどがあれば、それは仕方ないですよね。


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